≪冬の農地が凍らない≫  続新時代の食と農業へのいざない

≪冬の農地が凍らない≫

続新時代の食と農業へのいざない
1月8日発売


- まえがき -

路面も水道管の水も凍りつくなか、自分の畑の野菜だけは青々として育ち続けている、
そんな畑があるとしたらどうだろうか。もちろんある。

寒冷地であっても、地温を高くするように施せば土が凍らない。野菜の栽培ができるようになる。
すると、農業者は冬にも野菜の栽培で収入が得られるようになる。

ビニールハウスやグラスハウスの壁面、天井面に超好熱菌由来のカーボン溶液を噴霧しておく。
すると、それが空気に触れるだけで保温作用、凍結防止作用を発揮する。
内側からでもいいし、外側からでもいい。
雨で流れても被膜面に情報が記憶されている、という。
簡易なトンネル栽培の場合も外側から噴霧する。と、同じ効果が持続する。
畑に露出する野菜には直接噴霧する。生体液が凍らないから成長が可能となる。
例えば、白菜はひもで巻き付ける作業が省ける。

私は野菜周辺の土壌にも撒き始めた。
土壌や野菜が氷結しないという技術は極めて画期的なことである。

ふきのとうは雪の下で芽吹き、育つ。 
雪には、寒風による氷点下降から植物を守るという作用がある。

北国でも太平洋側には、あまり雪は降らない。
こういう地域での「露地」栽培の実践例を増やしていきたい。

行うことはといえば……。顆粒のカーボン資材をバラバラと振り撒く、カーボン溶液を噴霧する。
それだけでいい。無害で有益、極めて安価で済む。

霜が降りれば露地での新たな栽培はお休みする。これはいにしえ古より変わることがなかった。
しかし、寒冷地において、畑(露地)で栽培された野菜の地産地消が可能になる。
地元でも評判になるだろうし、なにより、新たな収入源となる。
言い換えれば、全国に冬期の優良農地がたくさん誕生することになる。

なにより、硝酸態窒素が「検出されない」超優良ブランド野菜が子どもたちの体温を上げる。
これが普及するだけでも、やがて北半球の農業事情、食糧事情を劇的に変えてしまう。
その可能性が高い。農産物供給体制が変わっていくのではないか。

大量の積雪があっても、どんどん溶けてくれれば、構築物がつぶされないし、
遮光が長期にわたる問題も解消される。しかし、この点については、
今のところ解答を得ていない。まだ、実践例がない。

もう一つ。草が生えにくい土づくり法が、前回ご紹介した方法よりも、
なおシンプルなやり方で達成できるようになった。

草むらは、虫や病原菌の隠れ家である。しかも、風通しを悪くする。
また、雑草も成長のための栄養を必要とする。
野菜や根菜・穀物の栽培のために施した栄養(養分)の一部が、
雑草に消費される結果、野菜たちの栄養が不足してしまいかねない。

10アール(約三百坪)程度の田畑であるなら、草取りには苦労しつつも
、何とか取り続けることができるかも知れない。が、
何十ヘクタール(約何十町歩)ともなると、草取りをしようにもお手上げである。
いかんともしがたい。
それゆえにやむを得ず、人によっては毒物に頼るということになる。
しかし、「除草剤を撒いたから草は生えないというわけではない」と、
神谷先生と高山さんが口を揃える(高山さんは前著で紹介済み・農業指導者)。

「草を生えさせないようにさせる技術」を習得すれば、
「楽に、効率よく、予定の収量を上げる」ことができる。プロの栽培者たちの大命題である。

神谷先生は、「それが簡単に実現できるようになった」という。本書でその手順を追ってみたい。

さて、上記のどちらも「そんなことなどあるわけがない」と、反応されがちだが、
(気温)零下10度でも畑の地温が高ければ土が凍らず、
野菜の生体水も凍らないようにするのは、極めてシンプルな手順である。
土壌や植物やビニールシートに噴きかけて記憶させるだけでいい。高価な機械もいらない。
空気の流れと太陽の光によるカーボンの発熱作用を利用するだけでいい。

化石燃料を燃やして温めるわけでもなく、機械や装置を用いるわけでもない。
したがって、燃料代や機械代が掛かるわけではないし
、化成肥料代も劇薬代(農薬・除草剤・消毒剤代)も要らない。

また、そこで採れた野菜は硝酸態窒素の害とはまったく無縁な健康野菜である
(近所で売られている硝酸態窒素の含有量を測定してみるたびに
絶句する結果を得るが、私たちの野菜は「検出できず」という結果になる)。
 
一年のなかで、以前なら栽培を断念する時期に野菜の栽培ができているということは、
新たな収入源が発生するということである。しかも、
その時期の野菜は稀少性が高くなるため高値で取引されていく可能性が高まる。

化成肥料や農薬などが不要になるのだから、出ていく金は格段に減り
、一方、収入は格段に増える……。
すると、その農業者には黒字が約束されるということになるのではないか。

「私には、農業をやっていて赤字になるということが理解できない」・・・神谷成章氏談

以上の話は、ビニールハウスでの栽培の話をしているわけではない。

「露地(はだかの土壌)での栽培でも土壌が凍らないのですよ」と言いたいのである。
寒冷地に限らず、厳寒期には土壌も水も凍る。霜が降りればイモ類の地上部が破壊され、
あるいは野菜の茎が破壊されて葉が枯れる。このことを否定する人はいない。
寒冷地ならなおさらのことで、「冬にカボチャや大根を植える」と言っても
信じてはもらえないだろう。
しかし、神谷成章先生の開発なさった「超好熱菌由来のカーボン資材」は
、栽培の常識を変える。しかも日進月歩である。

撒かれるもの、散布されるものは、有機物を超好熱菌で炭化
(カーボン化)させた顆粒の資材と、
その過程でできるカーボンエキスの希釈液のみである、といっていい。
このカーボン(実は自由炭素)には、農地の事情に合わせて、
用途別に機能性が発揮されるように設計されている。

今回紹介しているのがそのうちの一つ、「冬期の凍結防止液」である。
空気の流れに触れると発熱する。それが保温効果を発揮する。

信じられないという人は実際に見てみたらいい。
栽培環境によって指導される炭化資材の種類が変わる。

神谷先生は、十二月(2014年)に入ってから大根や白菜やキャベツを植えるが、
それ以降も三月までは野菜を植え続ける予定である。

南木曽町(長野県)の私(大下)の農園のジャガイモは十二月の大雪に
埋もれてもいまだ青々として枯れていない。
何度も霜に見舞われてもいるが、ここにはまだ凍結防止溶液希釈液は噴霧していない。
それなのに元気なのは土壌の表面のカーボン資材が効いているからである。
ここのジャガイモは収穫期はとっくに過ぎているので、
雪が溶けたら収穫しようと思っている。

十二月に入ってからも既にジャガイモを植えてはいるが、
この原稿を仕上げたら更にジャガイモとイチゴのトンネル栽培を試みる予定である。

夢のような話、と思われるかも知れない。実際、夢のようではあるが
夢一杯の現実の話ではある。
まだ、零下一〇度以下での栽培例はないが、本書をきっかけに
極寒地での栽培を試みる方も出てくるだろう。
私は、「シベリアでだって野菜ができるのではないのかな」と、夢を膨らませている。
つくづく、匠(たくみ)の国・日本の農業技術の高さを誇りに思う。
神谷成章……八十五歳。
夢をいだいて楽しんで生きている。大地に根を張って日々、しなやかにしたたかに生きている。

五十歳・六十歳、はなたれ小僧……、使命の気づきは、いま・ここから始まる。

前作の『新時代の食と農業へのいざない』(新日本文芸協会オメガΩ社刊)から一年。
神谷ワールドのテクノロジー進化は龍のごとく飛翔し旋回し、一気に高次元へと昇ってゆく。
夢をもって楽しんで生きる……

大下伸悦(南木曽町ごうど神戸・流水亭にて)



目次
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まえがき
第一章 厳寒期の冬の畑が収益を産む こうすれば凍らない
1 冬の畑を休ませない。露地もハウスもフル稼働
2 露地栽培で……
3 噴霧の目安(一号液)
4 寒冷地での冬のジャガイモ
5 露地での栽培や保存の例
6 果樹栽培:ネクタリンやブドウの花が咲くとき、霜が降りても……

第二章 キュウリ栽培、さらに売上アップ 
1 推定5000万円が6000万円にアップ 
2 植物は葉っぱに太陽光が当たると二酸化炭素をつくる
3 経費がさらに大幅に減少
4 そのうえ、労力もまた昨年より大幅に減少
5 さらに、硝酸態窒素が検出されない極上の野菜であることが特徴
6 そして量が取れる。すなわち多収である。
たとえばジャガイモは一般の五倍の収穫
7 それなのに、栽培法はきわめてシンプルで楽なのである
8 いままでできなかった冬期・寒冷期に栽培ができる。冬、凍らない
9 味は、一度食べたら忘れない。糖度が高く、食感がいい
10 当然ながら、高値で売れていく
11 劇薬(農薬・除草剤・消毒剤)を使わないので栽培時に身体を壊す心配がない

第三章 草の生えない土づくり 
1 表面がすぐに乾く土づくり
2 一か月後、「土壌に六ミリの鉄筋が最低一メートルは入る」ようになる
3 草に煩わされないようにするもう一つの手順
4 露地でのジャガイモ栽培の実例
※ 神谷先生のジャガイモ栽培
※ 空き地での不耕起ジャガイモ栽培の実例

第四章 気象変動に弱い野菜を、強い野菜へと教育する
1 二倍体の野菜を三倍体の野菜へと誘導する
2 具体的な手順は実にシンプル:一夜浸水法による

第五章 新規に栽培を始める人へ
1 決めたことは決めたとおりにやる
2 毎日収入があるようにしていくこと(毎日出荷の安定則)
3 なんでも問題や疑問が生じたらすぐに聞くクセをつける
4 師を選んだら真似をし尽くしてクセづけすること
5 冬の農地を遊ばせない
6 田畑とハウスの両方を持つようにしていく
7 自分たちが食べるものぐらいは自分で栽培したほうがいい
8 長く出荷できる野菜や根菜類は、栽培面積を大きくすること
9 一度飲んだら、ニセモノには二度と手を出さない
10 死んだ土に種を蒔いたってまともなものは育たないよね(神谷成章)

第六章 庭やベランダで栽培 摘みたてサラダで体温を一度上げる
1 まず思い知って性根を据える
2 始めに「子どもや自分の病気がある」のではない
3 摘みたてサラダくらぶ
4 プランターでの栽培
5 庭での「摘みたてサラダ」栽培をプランターやボックス・バッグ(袋)で行う場合
6 庭や畑の露地(=はだか地)栽培の場合
7 土壌が凍るような寒冷地での冬の野菜栽培

第七章 屋上菜園のポイント(都会型:建物の一部を活用する)
1 2014年の秋口から100坪の屋上を早速菜園に転用して大成功
2 バッグ栽培(袋栽培)もベランダ栽培や屋上菜園には手軽でいい





【大下伸悦著作目録】


幸せを引き寄せる食と農   新日本文芸協会オメガΩ
言霊百神          新日本文芸協会オメガΩ
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風ぐるま 水子がかぜに   新日本文芸協会
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★新日本文芸協会 http://www.sn-bungei-kyoukai.com/
★伊勢神宮の神代文字奉納文保存会 http://hounoubun-hozonkai.com/


【略歴】
大下伸悦(おおしたしんえつ)
自由芸術農園運営・GОPグリーンオーナー倶楽部主宰。
夢をもって楽しく生きる会会長。二十一世紀幸塾専務理事。
新日本文芸協会顧問。作家名:小滝流水。
伊勢神宮の神代文字奉納文・保存会代表
著書『時代は変わった。でも大丈夫!生活費を減らして健康になる』
『親子のかたち』(新日本文芸協会)他書籍多数。
GOPでは、日本の農業を救う具体案を実践を通じて提示する。
夢をもって楽しく生きる会・幸塾、GOPホームページコラムにて最新情報を発信。
1949年、岩手県久慈市生まれ。

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